webサイト制作時の本当に正しいペルソナの決め方について

世の中にはたくさんの商品・サービスであふれかえっています。
少し前までは、「良い商品を作れば自然と売れるようになる」「口コミによって認知が増え売り上げが上がる」という時代でしたが、今はそれが難しくなっています。
どんなに品質の高い商品を作っても、それがユーザーに伝わらなければ生き残ることが大変な時代です。
そのため、ユーザーの欲求や感情を認知し、最適な情報を届けることが必要です。
そしてユーザーに最適な情報を届けるためには、ペルソナを設計しその人に影響を与えることのできるデザインであったり、訴求を行う必要があります。
しかし、ペルソナはただ作れば良いというわけではありません。
年齢、性別、住んでいる場所や家族構成等、それらを決めるだけでなく、その人の感情や行動にまで落とし込んでいくことが大切です。

ペルソナとは

ペルソナとは、売り出したい商品やサービスを購入・利用するであろう人物をより詳細に深堀した人物像のことを言います。
似たような用語で「ターゲット」がありますが、ターゲットとペルソナでは情報の程度が異なります。
ターゲットとは、「20代独身の男性に対して」というような、幅広いユーザーが対象となりますが、
それに対してペルソナは

・名前:佐藤 タロウ
・性別:男
・年齢:25歳
・結婚:未婚
・居住地:東京で一人暮らし
・年収:400万円
・趣味:カフェ巡り
というような、より詳細な項目を設定した人物像のことを指します。

ペルソナ設計が必要な理由

商品・サービスをユーザー届けるために、なぜペルソナの設計が必要なのか。
「自社の商品を日本全国すべての人に届けたい」そう考える気持ちも分かります。
また、ターゲットを絞ってしまうことで、認知がされず「商品が売れないのでは?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、ペルソナをしっかりと設計することで、サイト制作時はもちろん、その後の広告運用まで見据えると多くのメリットが存在します。

担当者間で目標が統一できる

サイト制作時にペルソナが定まっていることで、認識のズレをなくすことができるようになります。
デザイン作成時には、この「認識のズレ」をどれだけなくすことができるかが非常に重要です。
20代の女性であっても、「どういう女性なのか」という情報でデザインは大きく変わってきます。
「ホームぺージのデザインを作ってもらったけど、いまいちピンとこない」と感じる場合は、担当者間で認識のズレが発生しているのかもしれません。
ペルソナを設計することで共通の人物像をイメージすることができるので、無駄な作業をなくし、成果の高いサイトを作ることができるようになります。

不要な情報を削除

ペルソナがしっかりと設計されていることで、不要な情報が明確になります。
例えば、20代女性(本当はもっと細かいですが)のペルソナに対して、「男性こそ日常のスキンケアが大切!」というような訴求を行っても効果は低くなります。
また、20代独身の女性に対して「育児の合間に簡単スキンケア!」というような宣伝を行っても、その商品が気になる!と感じる人はあまり多くはないでしょう。
このように、ペルソナが細かく決まっていることで、ホームぺージの構成やデザイン、文章構成など大きく変わってきます。

より効果的な訴求効果

ペルソナを設計する大切な理由の一つとして、ラブレターを想像してみてください。
ターゲット像のような「20代前半独身女性」に対して、良い返事をもらえるようなラブレターを書いてくださいと言われたところで書くのは難しいですよね。
その人がどんなライフスタイルで、どんなことを恋人に求めていて、どんな人が好きなのかということを知らなければ、相手の心を動かす文章は書けないはずです。
例えば、「同じ会社の営業課の○○さん」というように、一人を想像してラブレターを書くとしたら、自分のこのポイントを押していこう!○○さんは確か花が好きだったから添えてみよう!など、より深い文章が書けるのではないでしょうか。
ホームぺージを作成する際もこれと同じで、ペルソナを設計し、相手の好きなデザイン、心に響きそうな文章構成を考えていくことで、成果のでるサイトに成長していきます。

正しいペルソナの決め方とは

ここまで、ペルソナを設計することのメリットについてお話をしてきました。
この章では正しいペルソナの決め方について解説をしていきます。
上記にもあるような

・名前:佐藤 タロウ
・性別:男
・年齢:25歳
・結婚:未婚
・居住地:東京で一人暮らし
・年収:400万円
・趣味:カフェ巡り
というようなよくあるペルソナ像は、一見問題なく見えますが、決定的な「穴」が存在します。
「ペルソナを決めたけど、そこからどうすればいいの?」と次の行動に移せず、結局「ペルソナを使いこなせず無駄となってしまう」というケースも多くあります。
なぜ、ペルソナを使いこなせないのか。
それは従来のペルソナ設計では「感情」が欠如しているからです。

感情の欠如

ペルソナを設計する際「プロフィール」だけを考えてしまい、どのようなアプローチが効果的か分からなくなってしまうことがあります。
旅行サイトを例に見てみましょう。

ペルソナ
28歳で都内OLとして勤務
趣味は~
ライフスタイルは~
夏休みは会社の同期といつも旅行に行く。
行先はいつも国内旅行。

このような一般的に使われているペルソナ像を設定したとします。
ここで定めたことを踏まえて、どんなことを相手に伝えたら、自社の旅行サイトを利用してくれると思いますか??
「一万円で人気の旅館に宿泊できる」という安さや「仕事の疲れを旅行で癒そう」等、すぐに思いつくような言葉では、よほどのクオリティ・値段でなければ競合他社とバッティングしてしまいます。
これはペルソナ像に対して「何を伝えれば感情が動くのか分からない」という状態です。
この問題を解決するためにオススメの方法が「悩み」「なぜ?」「理想」「ハードル」の4つの項目からペルソナの感情を読み取っていく方法です。

ペルソナどんなプロフィール
悩みどんな悩みを抱えているのか
なぜなぜそれを悩んでいるのか
理想理想の姿はなんなのか
ハードル理想に近づけないハードルはなにか

従来のペルソナ像は人物像のみに焦点が当てられていますが、「悩み」「なぜ」「理想」「ハードル」に注目することで、より精度の高い訴求や最適なサイトデザインを作ることができるようになります。

ペルソナ設計術の例

ペルソナ26男性、地方の中堅企業で営業。一人暮らし。
仕事が終わる時間が遅いため、食生活が偏りがち。
最近体重が増え、彼女にも「太ったね」と言われる
悩み体重の増加
なぜ夏に水着を着るのが怖い。彼女に振られたくない
理想水着が似合う体型。夏の薄着を怖がらない
ハードル面倒くさがり屋で続かない。食生活は制限したくない
  • ・夏に間に合う時期はいつか(いつ?)
  • ・効果的な方法を探すタイミング(どんなタイミング?)
  • ・ぽっちゃりなお腹と理想的な身体を視覚的に伝える(何を伝える?)
  • ・やるなら今だ!僕にもできそう!と感じさせる(感情の変化)

まとめ

ここまでペルソナ像に関する設計のポイントについて解説をしてきました。
ホームぺージを作成する際に意外と見落としがちなペルソナですが、ここがしっかりと定まっていることで重要度の高いコンテンツの選定や伝えるべき情報の取捨選択ができるようになり、結果的に成果の出るサイトを作ることができるようになります。
また設計したペルソナの「感情」にまで焦点を当てるとより効果的です。
ホームぺージは作って終わりではなく、公開後の運用が非常に大切です。
ペルソナはその後の運用・改善や広告運用を行っていく際にも使用するものなので、サイト作成前にしっかりと考えるようにしましょう!